【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)
「「フローエス ノイエス ヤール!!」」
二人が声をそろえて、古い祝詞で新年を言祝げば、同じ言葉を復唱する歓声が闘技場に鳴り響いた。
クルクルと剣を回し、向かい合う二人は鞘に剣を納める。不思議なことに、鞘に吸い込まれていく先から、炎も氷も消えていた。
観客席は赤や青の扇で沸き立っている。
どうもご令嬢たちが、自身の応援する騎士の色に合わせて用意したらしい。
中には二人ともという意味で、紫の扇を用意している者もいた。