【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)

 慌てて俯く。

 聞いてない! 夏休みなのに、なんで警護に入ってるの!?

 目眩ましの魔法がかかっているから、バレるはずはないのだけれど、万が一を考えてドキドキする。

「何をしている?」

 もう一度、フェルゼンが問う。

「愛の語らいですよ」

 紳士がキザったらしく答えるから、私は慌てて首を振った。

「同意の上ではないようだが?」

 私を見てフェルゼンが紳士に問い直す。
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