【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)

 タンゴが終われば、屋台の手伝いに回る。私は氷の魔力を買われて、ヨーグルト屋さんの手伝いだ。カップに盛られたヨーグルトにトッピングをかけたものを、私が凍らせてお客さんへ手渡しする。これがなかなか好評で、長蛇の列になっている。
 先ほどタンゴを見たお客さんも大勢いて、口々に感想を教えてくれて嬉しい。中には、私ともタンゴをと言う積極的なご令嬢もいた。とりあえず曖昧に流しておく。

 フェルゼンは肉を焼いている。あの歌声で、これまで以上にたくさんの人々を魅了したらしい。武に優れたくましいフェルゼンが、歌声まで素晴らしいのだから、当たり前と言えば当たり前だ。
 シュテルは弓矢の体験指導に回っていた。体験指導はいつも大盛況で、本物の騎士に教えてもらえると、子供たちがたくさん集まってくるのだ。

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