【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)
戸籍上も、女のベルンシュタインは存在しない。処罰に困っているのだろう。
お父様の祈りがすべての原因だが、父は宮廷に役職がない。ヴルカーンの参謀もその日のうちに返上した。自宅にこもっているが、それはいつものことで謹慎処分と言いにくい。後は爵位と領地を剥奪するくらいのものだが、それは最後の手段だろう。
アイスベルクには騎馬隊がある。最悪、内戦が始まる。
そうでなくても今回のことで、アイスベルクの騎馬隊たちは荒ぶっている。あの場に、女の騎兵がいたから最悪の事態が免れたと、私がいたから助かったのにと怒ってくれるのだ。
その気持ちを押さえるためにも、私は毎日騎馬隊の訓練に行った。暴走されては困る。