【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)

「王家の隠された意思なのか、それとも魔道士として理があるのか、自分たちのつかんでいない何かがあるんじゃないかってね」
「まあ、悪い人」

 お姉様が満足げに笑った。案外この二人気が合うんじゃないだろうか。

「だから、ベルンちゃん、マレーネたんにここのお菓子持って帰っていい?」
「勿論。お姉様の手作りとお伝えください。ご迷惑をおかけするわけにいかないので、私からは何も差し上げられませんが、お気持ちが嬉しいとお伝えください」
「……うん」
「元気でいるので心配ないと」
「うん」
「泣いてくれてありがとうって伝えてください」
「はぁぁぁぁぁぁ! 尊い……ああああ、離れていても尊い……」

 涙するザントにお姉様がドン引いた。
 あ、やっぱ無理だよね。変態だもん。


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