【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)
いろんなことがあった。良いことも悪いことも知った。自分の浅はかさと弱さを身にしみて感じた。
でも、仲間がいたから助けられた。ここへ来てよかった。
「ベルン!」
窓の下でシュテルが手を上げた。
「降りて来いよ!」
フェルゼンも笑う。
「今行くよ」
私は窓を閉じ、カーテンを引いた。暗くなる部屋に向かって一礼する。
今まで守ってくれてありがとう。
カーテンの隙間から零れる光を受けて、フェルゼンの机が光っていた。
部屋の鍵を閉めドアに敬礼する。軍隊式に回れ右をして、私は廊下を走り出した。
皆の元へ行こう。
また一緒に新しい生活を始めるために。