【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)

 王宮に着けば、シュテルは馬に乗って俺たちを待っていた。シュテルの馬はアイスベルグから送られた白馬のスノウだ。
 俺たちは王宮の馬を借りてそれに乗る。最初はおっかなびっくり馬に触れていたシュテルだったが、だいぶ乗馬になれてきて、今ではひとりで乗れるようになった。
 俺たちは少しの従者を連れて、王城の森へ入る。一番奥の丘まで行き、そこで一休みをして帰ってくる予定だ。グルリと森を巡るのだ。
 ベルンは初めて入る王宮の森に目をランランと輝かせている。
 野性的で薄暗い森しか知らないベルンにすれば、花々の咲き乱れる明るい森は新鮮なのだろう。
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