【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)
こちらが仲良くなろうと思っても、相手の子は親の影から出てこない。
結局、大人同士が話をするだけで、子供同士は互いに違う遊びをするのが常だった。
「アイスベルクにはお前と同じ年の子供がいるから楽しめるだろう」
父はそういうが、俺はゾッとした。どうやって暇をつぶそう、それくらいにしか思えない。しかも、アイスベルク領は田舎だと聞いていた。
きっとつまらないだろうな。なんで父上は毎年あそこへ行くんだろう。
そうとしか思えなかった。
馬車に乗っての憂鬱な旅路。
俺の住む王都からアイスベルクに向かって、どんどん寂しくなっていく。
馬車道だけがやたら広くて整備されている。
大きな石橋を渡って、魔物が出そうな森を抜ける。
その先。