【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)

「相変わらずの大人気だね。フェルゼン」
「何言ってんだ、アレはお前のファンだって騒いでんだぞ」 

 フェルゼンが呆れたように笑った。

「気が付いたか? ご令嬢たち、ご丁寧に扇の色を変えてるんだぜ?」
「なにそれ」
「俺の髪の赤と、お前の髪の青なんだとよ」

 言われれば観覧席では、嫌に赤と青の扇が目に付いた。

「へえ? 紫もあったけど?」
「二人共って意味らしい」
「お嬢様方たちはなかなかにお元気だ」

 クスリ、二人で笑いあう。

「シャワー、先使う」
< 7 / 408 >

この作品をシェア

pagetop