【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)
「相変わらずの大人気だね。フェルゼン」
「何言ってんだ、アレはお前のファンだって騒いでんだぞ」
フェルゼンが呆れたように笑った。
「気が付いたか? ご令嬢たち、ご丁寧に扇の色を変えてるんだぜ?」
「なにそれ」
「俺の髪の赤と、お前の髪の青なんだとよ」
言われれば観覧席では、嫌に赤と青の扇が目に付いた。
「へえ? 紫もあったけど?」
「二人共って意味らしい」
「お嬢様方たちはなかなかにお元気だ」
クスリ、二人で笑いあう。
「シャワー、先使う」