【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)

 私はシャワー室に入ってお湯を出した。
 温かいお湯が体を流れていく。
 同じように鍛えているはずなのに、どう頑張ってもフェルゼンには及びもつかない筋肉。
 小さいけれど男とは違う胸のふくらみから雫が落ちる。


 そう私、王国騎士たるベルンシュタイン・フォン・アイスベルクは、実は侯爵令嬢なのだ。
 それは当然、国王様にも王子様にも秘密だったりする。

 なぜって? この国では女子は騎士になれないからだ。

 確かに騎士には憧れていた。ただし、私は性別を偽ってまで騎士になりたいと思ったわけではない。

 なんというか、なりゆき? 気が付いたらそういう流れになってた? みたいな。

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