【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)

 午前の授業は座学が中心だ。歴史や政治、経済から用兵など様々なことを学ぶ。
 午後の授業は実技が多い。基本は選択授業だ。授業の後はサークルや自習時間。武術や社交ダンス(男だけだ!)や、ボードゲームから、サバイバルなど様々なことをやっている。

 夕食は同じように食堂で食べ、就寝時間までは自由時間だが、門限までに帰れないような先輩などは、仲間と連携してうまくやっているらしい。
 一学年はだいたい二十人前後。
 年度初めのテストの成績順で宿舎の部屋は割り当てられる。
 主席は一人部屋だ。五位までは二人部屋を割り当てられ、それ以降は四人部屋を使う。
 宿舎には、トイレと簡易シャワーと簡易キッチンがついている。風呂が使いたい者は、浴場へ行く仕組みだ。ベッドは二段ベッドで、勉強用の小さなデスク。小さなソファーセットが中央にある。
 ちなみにシュテルは一人部屋を使っているが、これは王族だからではなく、学年主席の特権である。
 私がフェルゼンと同室なのは、彼が二位で私が三位だったから。なんとしても、フェルゼンと同じ部屋にならないといけないので、これが結構辛いのだ。
 幼年学校の頃は、それほど性差のなかった体格も、さすがに士官学校まで来ると徐々に差が広がってくる。同じ年の男のようには筋肉もつかないし、力もだんだん及ばなくなる。きっとそれが理由で、この国には女騎士がいないのだろう。
 私はその差を埋めるように、勉学と魔法に力を入れて、必死に食らいついているところだ。
 
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