無気力な一匹オオカミ男子に懐かれました。
「いって~。朝比奈って、意外と怪力」


「わわっ、ごめんねっ。大丈夫っ?」


「あーもう、おかげで目ぇ覚めちゃったじゃん」


蓮水くんはそう言うと、むくっとベッドから起き上がる。


そしてこちらを振り向くと、呆れたように笑って。


「わかったよ。朝比奈がうるさいからちゃんと授業受けるよ」


「えっ、ほんと?」


「うん。そのかわり俺のことおんぶして連れてってくんない?」


「……なっ! それは無理だよっ」


 「はははっ。冗談だし」


またクスクスと笑う蓮水くん。


でもなんだろう。笑った顔は、ちょっと可愛いかも。


蓮水くんってどちらかというと近寄りがたいイメージだったけど、実は結構喋るんだなぁ。


それに、実は冗談とか言ったりするんだ。


なんかちょっとイメージが変わっちゃうな……。


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