無気力な一匹オオカミ男子に懐かれました。

だけどそんな時、麻里ちゃんのほうに向けていた視線を、ふとコートのほうに戻したら、突然こちらに向かってバスケットボールがまっすぐ飛んでくるのが見えて。


――ドンッ！


次の瞬間、よける間もなくそのボールが私の額に思いきり直撃した。


「……っ！」


思わず額を両手で押さえてしゃがみこんだら、麻里ちゃんが心配そうに声をかけてくる。


「えぇっ！　ちょっと、花乃大丈夫!?」


「う、うん。大丈夫……っ」


うぅ、でも今のは結構痛かったなぁ。顔面直撃とかすごく恥ずかしいし……。


すると、すかさず先生や試合中の男子たちも何人か私の元へ駆け付けてきてくれた。


「おい朝比奈、大丈夫か!?」


「ごめん！　俺がパスミスったせいで……」


みんなに心配されたので、なんだか注目されているみたいでますます恥ずかしくなる。


「いえいえ、大丈夫です！　私は全然平気なのでっ。むしろ、ボーっとしててごめんなさい」