無気力な一匹オオカミ男子に懐かれました。
しかも彼は、思っていた以上に飲み込みが早くて、どの問題もちょっと説明しただけですぐに解けるようになってしまって。


蓮水くんって、勉強嫌いなわりに、実はけっこう頭がいいのかもしれない。


「……ふわあぁ」


だけど、さすがに途中で疲れてきたのか、2枚目のプリントが終わったあたりで、彼は問題を解く手を止めると、シャーペンを机の上に置いて大きなあくびをした。


「なんかもう眠いんだけど」


「えっ」


そのまま机に突っ伏してしまった蓮水くん。


「だ、ダメだよ寝たらっ。あと一枚だから、頑張ろう!」


「無理ー。ちょっと休憩」


「ま、待ってよ蓮水くん!」


すると彼は、急に静かになったかと思うと、動かなくなって。


え、もしかして、ほんとに寝る気なの?



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