無気力な一匹オオカミ男子に懐かれました。
「ごちそうさまでした」


食べ終えたところで両手を合わせ、お弁当を袋の中にしまう。


そして、持っていたペットボトルのお茶を一口口にしたら、そこで蓮水くんが思いついたようにボソッと呟いた。


「あ、そうだ。俺、飲み物持ってくんの忘れた」


「えっ」


「ちょっと買いに行ってくるわ」


そう言って立ち上がろうとする彼に、とっさに声をかける。


「あ、よかったら私のお茶、飲む?」


「……いいの?」


「うん」


頷くとなぜか一瞬黙って、じーっとこちらを見てきた蓮水くん。


ん、なんだろう?


「じゃあちょーだい」



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