ロマンティシズム
 それが自分を説明しているものであることに気付き、雪野は心が凍りついた。

衝撃。

ダメです。
絶対赦しませんっ。


 基本的に考えないようにしている、『瀬戸には自分の知らないところに恋人がいるのではないのか』思考に、久しぶりに雪野は囚われていた。

自分の知らないところ、という発想がおかしいことは重々承知。

助教授先生と一学生。
プライベートなど、知らないに等しいのだ。

 知っているのはただ、ガッコウでの先生の姿。

チャイムが鳴ればハイさようなら、の高校生よりは纏わりつける時間は長いが、結局はそれだけ、だ。そんなに変わるものでもない。


 でも、……癖とかは、結構知っていると思うんだけど……。
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