ロマンティシズム
『あぁ? 面倒くせぇな』

「全然面倒とかじゃないですから。五つ、響きで選んでください。じゃ、もっかい言います。ショコラ、クランベリー、マロンクリーム、キャラメルビター、ハニーピスタチオ。さぁ、どれだ!」

 オネエサンの顔が明確に語る。

『もう少し待ってから応対すれば良かった』。

そして、もう一度放り出すタイミングを計りかねているのだ。

なんて厄介な客。
だけれど客。

ブレイクニーの接客姿勢は徹底していて素晴らしい。アッパレ。


「あれ?」

 しばしの沈黙を置いて、厄介な娘は呟いた。

首を傾げる。返事がないのだ。

ん? 

画面を見てみる。繋がっている。


「あれ。先生―?」
< 26 / 77 >

この作品をシェア

pagetop