ロマンティシズム
雪野は振り返る。
人に阻まれ、ショーケースはちらとも見えない。
かろうじて覗くパウダーブルーの壁が店のすべてだった。ショップカラーなのだ。
ケーキの味は五つ。
ショコラ、クランベリー、ハニーピスタチオ、キャラメル……と、もう一つなにか。
最後まで残るのはどれだろう?
「ハニーピスタチオって、どんな味でしょね。ハチミツと、ピスタチオ。未体験ゾーンですよ」
「あんな緑色のもんが食えるか。おまえに任せたら、もしかしてアレ?」
「あ、そうしたかも。それか、クランベリーを選んだかもです」
「あのピンクか……。電話してくれてありがとう」
人に阻まれ、ショーケースはちらとも見えない。
かろうじて覗くパウダーブルーの壁が店のすべてだった。ショップカラーなのだ。
ケーキの味は五つ。
ショコラ、クランベリー、ハニーピスタチオ、キャラメル……と、もう一つなにか。
最後まで残るのはどれだろう?
「ハニーピスタチオって、どんな味でしょね。ハチミツと、ピスタチオ。未体験ゾーンですよ」
「あんな緑色のもんが食えるか。おまえに任せたら、もしかしてアレ?」
「あ、そうしたかも。それか、クランベリーを選んだかもです」
「あのピンクか……。電話してくれてありがとう」