ロマンティシズム
「な、なななななんですか?」

「ヒロセ」

「は。はい?」

 呼ばれた。
呼ばれていますよ、アナタ。


「一緒に来るか?」

「えぇっ」

 声と一緒に心臓までが飛び出しそうだった。

慌てて飲み込む。
息と一緒に、心臓も。


「い、いいんですか?」 

「おまえこそいいのか? ゼミの連中が待ってるだろう」
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