ロマンティシズム
え、もう、ぜーんぜん。
そんなの全然、

「気にしなくていいと思います」

 一瞬たりとも迷わず断言。きっぱり。


 瀬戸はどんな表情も見せなかった。

ただ歩き出す。

すぐに、人の群れるメインストリートからは外れ、行き交う人間が数えるほどの脇道を進み出した。

喧騒も、ジングルベルも遠ざかる。

次第に次第に、足音だけになっていった。


 ダンジョン?
 東京アンダーグラウンド。

それはその通り。地下だから。


 足音が響く。

新たな妄想をスタートさせる前に、雪野はその表示に気が付いた。
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