ロマンティシズム
「あ。先生、車?」

「そ」

「そかそか」

 これは駐車場へと続く通路でしたか。

 雪野はあふれる笑いをあふれっぱなしに、ステップでも踏みそうな足取りでついて歩いた。
ウフフ~とマズイくらいに笑っている。

 瀬戸の右手にはパウダーブルーの袋が提げられている。

中の箱も、同じブルー。
真白いリボンが華やかに結ばれた素敵ラッピングが隠すのは、甘い甘いケーキなのです。

味はショコラ。先生のお好みで。


 どこへ行くのか知らないけれど、一緒に過ごす幸せのイヴへと繋がったことは間違いない。



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