ロマンティシズム
◇素敵な時間の始まりです
奇跡の助手席でハイテンションで喋り倒していた雪野は、走っている道にまったく注意を払っていなかった。
また常になく瀬戸がよく相手をしてくれたのだ。
話しかければ答が返る。
二人の間で、ラリーはこれまた奇跡だった。
たいてい、二言三言でピシャリとやられてそれは終わる。
で。
今となっては、奇跡の輝きは幻だったと思い知ったというところ。