ロマンティシズム
 車から降り立ち、灰色の校舎を見上げたときには、すべての謎を解くための稲妻に襲われたような気持ちになっていた。

真相を見抜いた探偵の脱力。
すべてのエピソードがあるべき場所にはまり込んだ、達成感。

ある意味、すっきりしているとも言える。


「……やっと現実っぽくなってきた、の、かもしれない……」

 呟いてみた。

 灰色の校舎。

そう、校舎なのだ。
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