ロマンティシズム
 ケーキの時の電話と言い、なぜ落とすことばかりを心配されているのだろうか。
そんなに粗忽者の印象を固めてきたのか、自分。

振り返れば、過去の所業がいろいろと思い出されて、さらに落ちる。

瀬戸の考える自分のイメージ、……低すぎる。

落ちるでは足りない、めり込みそうだ。

「先生、今ものすごく楽しい気持ちでいっぱいですね……」

「特にそうでもない」

「……せめて大はしゃぎとかしていただけると私もかいがあると言うかなんですけど」

「おまえのこんなことに、いちいちはしゃいでられるか。日常だろ、日常」
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