ロマンティシズム
「がんばれよー、雪ちゃん。オレは相応の罰だと思う」

「うるさい、日向。手伝え、もう」

「なんでだよ。なんでオレが、て話じゃん。なんでアンタの受ける罰を、一緒になってこなさなきゃなんないの」

「日向だって教えてくれて良かったんだもん。先生来るってわかってたら、こんな格好で来なかったもん」

「あー、こりゃ確かに手抜きだな」

「ほんとだ、雪野。そりゃないわ」

 そんな学生たちの無駄な騒々しさならば聞き流し、瀬戸は空へと煙を飛ばし続けていた。

慣れた。
今となっては達人だ。

どうでもいいことを受け流すこと。
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