ロマンティシズム
 小谷教授の期待した職務を、果たしているのかいないのか。

助教授先生は隅のソファに陣取って、まったりと酒を呑んでいた。

付近の、椅子にも床にも構わず転がっているのは、先生に挑戦し敗北した者の成れの果てだ。

酒ならば強い北国生まれ。
講座の飲み会ではこれが、見慣れた光景となっていた。

 そんな先生を間に挟み、日和日向が侍っている。

それを見た雪野はむぅ、と顔を歪ませた。

 なぜだかこの三人、最近やたらと仲が良すぎる気がするんですけど。

 罰などおとなしく受けていたけれど、考えてみたら自分はこの人たちに騙されていたのだった。

瀬戸の参加を教えてくれなかった二人、そして、先生にはさらに遊ばれたりしていたんだった、そう言えば。


 ムカ。

 乙女の純情をなんと心得る。キミたち。
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