ロマンティシズム
 最後の方法はセレクトミスだった。

群がる女子に、瀬戸がご機嫌よろしくなっているように見えたのだ。

そして結果は出なかったのだから、損ばかりではないですか。

何か手段はないものか。他にもいろいろ考えた。

考えるだけならば、お楽しみに出発する教授の飛行機を飛ばさない方法までも。


 しかし雪野がどれだけ策を弄そうとしたところで、この山は動かせるものではない。

というよりも、一学生に弄せる策などそもそもが陳腐に過ぎるのであった。

広瀬雪野、なんら後ろ盾を持たない、ただの学生の身であるからにして。
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