ロマンティシズム
「ね、先生。どうですか、来年? 来年はもう雪野だって学生さんじゃないですよ」

 女衒?(言いがかり?)

「へえ。卒業決まったのか」

 広瀬雪野は学生として、助教授瀬戸の支配の下にいる(ハートも支配されているが、そちらはまったくどうでもいい)。

それは瀬戸の許可なしに、学位記を手にすることはないということだ。

卒業させるもさせぬも、瀬戸次第。


 気付いた二人は声をあげる。

ほくそ笑むがはまり過ぎている瀬戸に向かい、
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