死神に誘われて
4、渦巻く怒り
刀と刀が交わる音が、何度も響く。僕は、その場から飛び退くと、レーザーを放った。
それを父さんは、綺麗に避ける。
「何なんだ……この物の怪……3人でも倒せないなんて……」
隣に着地したルクが、呟いた。確かに、そうだ。僕とルク、エメルでかかっても、ほとんど避けてる……。
エメルはもともと運動神経が良くて、小柄だから、素人には出来ないような動きをすることが出来てるんだけど……それでも、不慣れな所があるけど……初めて刀を扱うにしては、上手すぎだ……。
「エメル、初めてにしては上手いね……」
「私、刀を扱うの……実は初めてじゃないんだよね。怪我をしないように、木刀だったんだけど……お父さんから剣術を教えてもらったことがあって……」
え!?そうだったんだ……。
「本物の刀を持つのは、初めてだけどね」
そう言いながら、エメルは父さんに向かって走り出す。
エメルを見てる父さんの後ろに回り込んで、僕は父さんに向かって呪術を放った。父さんは、それを刀で弾き飛ばすと、僕に素早く近づく。
父さんは僕に向かって刀を振り上げるけど、避ける余裕もなくて動けないでいた。その前に、誰かが僕を庇うように立つ。刀と刀がぶつかり合う音が、響いた。