死神に誘われて
「……良く分かったな」

「死神になってから現世に降りてきた時、ニュースを見たんだよ。僕の家が放火されて、僕が亡くなったっていうニュースをさ。そこで、犯人はあんただって知った……でも、犯人が僕の生前の父親だって分かったのは、さっき。生前の記憶を取り戻してからだよ」

僕は、父さんを見据える。僕の中では、激しい怒りが渦巻いてるような気がした。

「そうか……1つ間違いがあったから訂正するけどな……お前の母さんは、俺が追い込んだんじゃねぇ……勝手に死んでいきやがった。お前を追いかけてな……俺にとって、お前は生きてても死んでても迷惑な存在なんだ！」

「……っ」

父さんの言葉に、僕は何も言えなくなる。

「……ひ、酷い……どうして、そんなことを簡単に言えるんです！？」

ロイの声が聞こえてきた。

「……許さない」

ぐっと柄を握っている手に力を入れて、僕は父さんに飛びかかった。刃に怒りを乗せて、刀を振るう。

「おい！ノーチェ！！」

ルクが僕の名前を呼ぶけど、僕は攻撃を止めない。

「……攻撃が単純なんだよ！」

僕の刀を弾いて、父さんは僕を吹き飛ばした。近くに生えてる木に、僕は激突する。

僕の意識は、ここで途切れた。
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