死神に誘われて
じゃあ、一時的に死神が見えてるだけだね。……でも、何で死神が見えてるんだろう。

霊感が無い人にも、稀にだけど一時的に死神が見える時がある。それには、僕らを必要とする色んな理由があるみたいだよ。

「……ねぇ！月森くん！絵芽は……絵芽は！」

……愛、もしかして……絵芽を心配して……。

「愛ちゃん？極夜くんなんて、いないけど……」

「え……？でも、確かに私の目の前に……」

「……ついてきて」

じっと僕を見つめる愛に、僕はそう言って絵芽のいる場所に歩き始めた。

そして、案内だけして皆の記憶から僕の存在を消すと、僕は天国へと向かった。



あれから1週間。僕は、死神長と死神となった母さんと一緒に、死神寮にある少し広めの部屋で暮らし始めた。

今日は久しぶりに休みを貰えて、ルクとエメルで遊ぶことになったんだ。

「……やばっ！」

ふと時計を見ると、待ち合わせ時間に間に合わそうに無い時間だった。僕は、急いで現世へ遊びに行く時に着てる私服に着替える。そして、ペンダントを掴むと部屋を飛び出した。

死神寮を全速力で走って、何とか待ち合わせ場所に到着。すでに、私服に着替えたルクとエメルがいた。
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