死神に誘われて
僕は、生きてた時の記憶がない。気が付いたら死神寮にいて、寮長であり死神長のスペード様から「死神にならないか?」と聞かれて、僕は死神になることにしたんだ。

「気が付いたんだね、良かった……」

ルクは、そう言いながら立ち上がる。

「ねぇ、あの悪霊は?」

「……ノーチェにあの攻撃を放ったら、消えていったよ」

「そっか」

「ノチェくんノチェくん」

僕らは、声がした方を見た。そこには、ロイがふわふわと浮いている。

「ロイ、どうしたの?」

「死神長が、ノチェくんを呼んでます。行っておいで」

空中で一回転をしながら、ロイは僕を見た。

……死神長が、僕を……?

「うん。行ってくる」

僕はルクとロイにそう言って、死神長のもとへと向かった。



コンコンコン、と僕は死神長室のドアをノックする。中から「入れ」と声が聞こえてきて、僕は中に入った。

「……来たな。お前を呼んだのには、理由がある」

黒髪に赤い目の死神長は、じっと僕を見る。久しぶりに会うし、ちょっと緊張する……。

「今からお前には、現世(うつしよ)にある、とある高校に通ってもらう」

「……色々と急ですね」

「すまない。実はな……その学校では、悪霊が沢山いてな……悪霊を1匹残らず倒してほしい!」

「……別に構いませんが、それなら、僕がその学校に通う意味は無いと思いますが……」
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