死神に誘われて
僕の言葉に、死神長は「いや、それが……」と表情を崩した。

「……さっきルクから、報告を受けたけどな……あの悪霊、人間となってその学校にいるみたいなんだ。それが誰なのか、俺でも分からない」

学校に通った方が見つけやすいかなと思ってな、と死神長は言葉を付け加える。

……そういうことね。

「……分かりました。僕が行きます」

僕が微笑みながら言うと、死神長は満足そうに頷いた。そして、僕の目の色と同じ深い青色の宝石の付いたペンダントを僕に渡す。

「……これは?」

「これは、魔法石の埋め込まれたペンダント。これを身に付ければ、人間にお前の姿が見えるようになる……しかし、死神の力が制限されるから気を付けろ。体力が人並みになるからな」

……あ、そっか。呪術って、体力を少し削って使うもんね。連続で使い続けると、倒れる時あるからね?ホントに。

「……分かりました」

「じゃあ、明日から頼むぞ」

そう言って死神長は、学校に関する資料と、制服を渡してくれた。

「……すでに準備してあったんですね」

苦笑しながら、僕はそれを受け取る。

「お前なら引き受けてくれると思ってな」

「ありがとうございます」

死神長の言葉に、僕は思わず微笑んだ。
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