君がいたから 陽翔、結菜side
「結菜大丈夫…? ゆっくり深呼吸してみて 」
気がつくとそこにはスーツ姿の陽翔がいた。
陽翔が帰ってきたってことは夜8時くらいかな ?
「はぁはぁ……だ、大丈夫。ごめん 」
結愛のことで辛いのは陽翔だって同じ。
なのに、私のことでこれ以上迷惑や心配かけたくない。
しっかりしないと………
さっきまで一人で抱えていた思いを頭から無理矢理消して、座りこんだ状態から立ち上がろうとする。
だけど。立ちあがった瞬間、うまく足に力が入らなくて、バランスを崩してしまう。
冷たい床に打ちつけられるはず………
だったのに、温かいものに受け止められていた。
「結菜っ、痛いところない ? 」
「大丈夫。陽翔が…助けてくれたから…」
「はぁー 、良かった 」
ホッとした様子でため息を吐いた後
目を細めて、ニッコリ笑ってくれる陽翔…
私の体重を支えてくれたから、
どこも怪我してなかった。