君がいたから 陽翔、結菜side
「陽翔、ごめんなさい。
私が強くならないといけないのに…
もっと、頑張るから。強くなるから…結愛を守る為に何ができるか教えて? 」
涙が溢れていて、それを隠すため
いつの間にか陽翔の背中に腕を回して、
胸に顔を埋めていた。
陽翔の服が濡れたら泣いていることは
わかってしまうのに泣き顔は見せたくなかったの…
「結菜はいつも頑張っているよ。結愛のこと愛してくれているなら、強くなんてならなくて良い。結菜は1人じゃないから、俺が守るから、大丈夫。大丈夫 」
なのにこんなこと言わないでよ、
つい顔を上げたくなってしまった。
「結菜 」
優しい声に目を向ければ、
陽翔が名前を呼んで、顔に笑みを浮かべてくれた。
「でも、できること教えてあげる 」
「こんな私にもあるの? 」
「あるよ 」
ハッキリとした口調の陽翔。
自分で言ったくせにこんな自分じゃダメだと心の片隅で
思ってしまっていたから
今の陽翔の言葉は素直に嬉しかった。