君がいたから 陽翔、結菜side
「結菜は本当軽いな。
じゃあ、ここで待っててね 」
「…うん 」
横に抱っこされて、ソファーまで連れていかれた。
そして、30分くらい立つと、
食欲をそそるような出汁の匂いがしてきた。
「結菜 」
お椀を持った陽翔の姿が見えソファーからゆっくりと身体を浮かす。
「うどん作ったよ 」
「ありがとう、美味しそう 」
「食べさせてあげるから口開けて 」
「い、いいよ 」
「遠慮するなよ。ほらっ」
小さく口を開けると、ツルッとした食感のうどんが入ってきた。
うどんに染みこんだ出汁の風味が口の中に広がる。
「美味しい 」
「良かった 」
陽翔がニコって笑う。
私の大好きな顔を見てると、
食欲もさらに湧いて、完食できた。
「おっ、食べられたじゃん
それじゃあ、ここで寝な 」
すでに満腹になっていることもあって眠い。
そんな中、陽翔に手なんて握られてしまうと、安心して、いっきに睡魔が襲ってきた。