君がいたから 陽翔、結菜side
「陽翔、すごいね 」
「そうだな。みんな楽しそうだな 」
結愛の高校の門をくぐると、まるで別世界のように賑やかだった。
校庭に屋台がたくさん並んでいて
いろんなところでコスプレした子とすれ違う。
私は高校病気ですぐ辞めちゃって、高校の文化祭なんて見たこともなかったから
こんなにお祭りみたいにすごいものだとは思わなかった。
まず結愛のクラスのカフェを覗いたけど
結愛は裏でケーキとか作っているみたいで見つからなかった。
なのでしばらくの間、3人で吹奏楽部の演奏を聴いたり、屋台を回って食べ歩いたりした。
そして、ひと通りぐるりと回ったところで、陽翔がとんでもないことを言う。
「蓮、俺結菜と二人で回りたいから、結愛のところ行ってて 」
「はいっ、わかりました 」
それはいっしょにきてくれたのにいくらなんでも失礼でしょ…
そう思い、蓮先生の方を見てみるけど、嫌そうな顔1つしない。
それどころか頬を赤く染めて嬉しそうにも見える。