君がいたから 陽翔、結菜side
「はいっ………!!」
ドアを開けると蓮先生がいた。
いつもはまず笑顔で挨拶してくれるのに…
今日は顔色が違う。
焦ったような雰囲気だった。
陽翔も家にいないのに来るなんて
どんどん不安になってくる。
「あっ、蓮先生
どうしたんですか ?」
「結愛ちゃん、家に帰っていませんか? 」
蓮先生は結愛のことで何か知ってるの?
今すぐ聞きたいけど、
玄関だと寒いから、部屋で話さないと…
「まだ、帰ってきてないです。
とりあえず、家に上がって下さい 」
リビングに向かう途中
スマホで誰かに電話をかける蓮先生…
普段、人と会うときに電話したりする人じゃないから、緊急事態なんだろう…
それに、結愛のことで家に来たみたいだから、もしかして結愛の身が危ないんじゃないかと想像して、怖くなって身体まで震えてきた。