君がいたから 陽翔、結菜side
「結菜さん、大丈夫ですか? 」
すぐそばに、蓮先生の手があり私を支えながら立たせてくれた。
蓮先生の顔を見ると、もう一つの思いも湧いてくる。
きっと…結愛は一番に蓮先生を信頼している
そうじゃなければ結愛が病院になんて行かないし、採血なんてできないくらい暴れるはず…
蓮先生に結愛のことを助けてもらいたいと………。
強く思った。
母親である私が支えないといけないのに、
結愛のことを前向きにしてあげられるのは蓮先生だけだから
そんな自分勝手なことを望んでしまう。
「大丈夫です。
すみません…
あと、お願いしたいことがあるんですが、大丈夫ですか?」
「はい、どうぞ 」
蓮先生の目をジーッと見つめて、少し深呼吸をする。
「もし、迷惑じゃなければ、結愛のこと支えてやって下さい………」
やっとのことで言えた一言だったけど、
まだまだ蓮先生に伝えたいことがある。
私が白血病だったときのこと…
思い出しただけで寒気がするけど、
蓮先生には話したい。