君がいたから 陽翔、結菜side

「陽翔先生、俺のパソコンを見てください。
結愛ちゃんの採血の結果です 」


小型のノートパソコンを開く蓮。


カタカタと手を震わせながら、少し移動して蓮のパソコンのデータを見る。


「そんな…これって………」


仕事上よく見る、検査のデータ。
だからこそ、目にした瞬間に恐ろしさがわかってしまう

白血病、赤血球、血小板の数がすべて異常値

しかも、未熟な血液細胞まであって、ほぼ確実に白血病だと診断できるほどだった。



「結愛ちゃんは………おそらく白血病です 」


「っ………… 」


これ見れば医者なら誰でもわかるけど、
言葉を失ってしまう。


蓮も涙声になっている…



落ち着かないと…
この状況で冷静になんてなれないけど、

蓮の前で動揺するなんて先輩失格だから、呼吸を整えて蓮の顔を見る


すると、蓮が口を開いた。


「あとまだ陽翔先生に話さないといけないことがあります

実はさっき………………………」



結愛が眠っているから小さい声で話す蓮…
だからしっかりと蓮の話に耳を傾ける。



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