君がいたから 陽翔、結菜side
「結菜、大丈夫…? 」
「うん…」
病室を出ると、心配そうに私の顔を覗きこんで、
体を支えてくれる陽翔。
優しさが心に染みこんで、涙が出そうにもなったけど、
結愛の様子が気になったから、ドアを少し開けて隙間から覗いてみた。
「うっ………ワーン
なんで、なの……………グスン
嫌だよ、注射………点滴も 副作用も全部
………でも…グスン まだ…死にたくない…
やだ………全部もう…ワーン 」
大量の涙を流しながら、
蓮先生のことを叩いて、泣き叫ぶ結愛。
そして、そんな結愛のことをただただ優しい目で見て、背中を擦ってくれる蓮先生の姿がうつる。
結愛の涙を見て、胸の奥が痛くなった、
だけど同時にホッ…とするような、不思議な気持ちにもなる。
結愛は今まであんなに感情を爆発させることは無かった
優しくていい子だから弱虫な私のことを
いつも考えてくれている。
だからやっと本音を言える人が見つかって、少し安心した…