君がいたから 陽翔、結菜side

「それで、泣いてたらどんどん体が痛くなって、動けなくなって、

蓮にも聞かれたけど、一瞬でも死にたくなったなんて言えなくて、
それでも蓮が優しいから辛くなって蓮にやつあたりをした 」


自分のコントロールもできないくらいのツラさ

しかもいつ終わるかもわからない恐怖だから

当たりたくなる気持ちもわかる。


結愛の弱々しい姿を、

高校生のとき治療をしていたときの自分と重ねてしまって、どうにもならないほど胸が苦しくなる。



なんて言えば良いの ?


簡単に『頑張れ…』なんて声かけられないよ。
結愛はもう誰よりも頑張っているもん…


こんなときなんにも声かけてあげられない………


つくづくダメな親なんて思っていると、後ろに人の気配を感じる。



振り返ってみると蓮先生が頭を下げていた。





< 79 / 111 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop