君がいたから 陽翔、結菜side
まだ家のこと何もしてないから今日は帰ろう…
シーンと静かな廊下を歩いて、エレベーターのところにいく。
エレベーター前は病室前の廊下とは違って、お見舞いにきた人や、入院している人が話したりする声がした。
だけどみんな声は小さめで
楽しそうな雰囲気は全く感じない。
ここにいるのは病気を持っている子か、
その家族だからね…
私も、結愛のことを頭に浮かべ
少しうつむきがちになり、エレベーターのボタンを押して待つ。
少しすると、エレベーターが到着したから、
降りる人が出られるように
少し横にズレていると聞き覚えのある声がした。
「結菜…?」
顔をあげると、エレベーターの中から
白衣姿の陽翔が出てきたのがわかった。
陽翔も結愛のところに来ようとしてくれたのかな?