君がいたから 陽翔、結菜side

蓮の席に向かう途中、医局内にあるコーヒーがある場所にいき、蓮の分もマグカップに入れてきた。


「蓮、おつかれ。ほら、コーヒー 」


「すみません。ありがとうございます 」


マグカップを蓮の机に置くと、
少しだけ俺を見て笑ってくれた。
でも、完全に作り笑いだよね…


「どうした ? 今日元気ないよな? 」


そっと、蓮の肩に手をおいて視線を合わせてみると、

悲しそうな笑顔を向けられて、固まってしまう。


「陽翔先生………実は結愛の血液検査の結果が悪くて,明後日からの無菌室で治療しようと思ってます 」


結果が悪い………
無菌室………


その言葉を聞いて、
蓮が落ちこんでいる理由を納得した。


自分の顔なんで見えないけど、
俺も顔色悪くなっていると思う。

顔に血が流れていないかのような寒さを感じる。





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