君がいたから 陽翔、結菜side
「陽翔先生、結愛ちゃんなんですが、喘息の発作を起こして意識無くしたみたいです 」
「結愛が! わかった。すぐ向かう 」
午前中の外来が終わったときだった…
俺の心配していたことが実際に起きてしまったみたいで、看護師長の村上さんが、俺の診察室に入ってきた。
村上さんは結菜が高校生のときの担当看護師さんだった。
患者に思いやりをもって接してくれるから、看護師としてとても信頼できる人だ。
だから、結愛の担当にもなってほしかったけど、去年の春から看護師長になったからそれはできなかった。
それなのに、何かと結愛のことを気にかけてくれている
「蓮先生もついていてくれているので、
安心して下さい 」
「ありがとう 」
俺が酷く、慌てていたので、そう言ってくれた。
これから昼休みに入るところだし、少しだけおじぎをして、診察室を出て結愛の部屋に行った。