君がいたから 陽翔、結菜side

案の定、今回で効かなければ抗がん剤を止めることを言うと

身体は震えて泣き崩れてしまう蓮…

指先まで力がはいっていない。
なのに…結愛の手だけは離さなかった。



俺は少ししゃがんで、

結愛の手を握ってないほうの蓮の手を持って立ち上がらせる。

蓮は悔しさから自分の手に無意識に爪を食い込ませていたみたいで、跡があった。

相当ショックだったはず…


でもそんなときにタイミングが悪くポケットのなかに入っているPHSが鳴ってしまう。

蓮の気持ちを落ちつける予定だったけど、
患者の命を放置できるわけない


「蓮、勘違いしないで。
たとえ抗がん剤が効かなくても、諦めるなんてひと言も言ってないから

俺がなんとかする。
今回の治療が終わって、検査結果が出たら話す 」


蓮ならどういう意味かわかると思うから

それだけ言って病室から出ていった。


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