俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
ここのソファーのフロアで過ごす生徒は、実は…お茶談笑が2割、男女の逢い引きが8割だ。
だなんて、言えるか…。
「なずな、こっち」
「へっ?」
「…席を探すフリをして、全体見て回ろう」
「わ、わ、わかっとるわ!」
ラブシーン目撃して動揺したな、こいつ。
って、おまえはギャルだろ!ラブシーンのひとつやふたつ…!
…って、言ってる傍から俺、ちょっとイラッとしてしまった。
なずなと他の男のラブシーンだの…!
だが、そんなイライラは表に出ないよう堪え、なずなを後ろに連れてソファーのラウンジフロア内を、席を探すフリをして隈無く見て回る。
授業終わった直後に潜入したというのに、フロア内にはまあまあ生徒の姿がある。
ざっと10人はいるか…?
だが…。
「…ううっ!」
俺の後ろで、ヤツが小さく悲鳴をあげた。
その方向をチラッと見てみると…あぁ。
正面向かい合って、女が男の上に股がって抱き合い、キスをしている。
長い。かなりの濃厚接触だ。
「うぉっ!」
あそこにも。
「ぬぅっ!」
あそこにも。