俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
「二年の伊藤梨子…恐らく生徒会だ」
「生徒会?」
ここで、嫌な予感が頭を過る。
まさか、田丸さんに引き続き、また…?!
連中は俺達の前を通り過ぎ、顔認証システムの扉の方へと向かっている。
その嫌な予感を頭に巡らせたまま、連中の背中を見送ると、だんだん焦りが伴ってきた。
伊藤さんを連れて、扉の向こうへ?
VIPレディクラ以外の誰かを…その扉の向こうへ入れるのか?
一行が扉の前で立ち止まった。
そして、一ノ瀬がセキュリティスキャナーのボタンを押している。
すると、ドアがガバッと開いた。
連れて行かれる…!
気持ちが逸り、思わず席を立ってしまう。
しかし、なずなに「ダメだ!」と身を乗り出した体を制止される。
「な、何でっ!…だって!」
「まだ情報が少なすぎるし、突入命令出てない!」
すると、耳の無線からも『橘くん、待機です!』と、制止の声が入る。
『位置関係や敵の有無が不明なのに闇雲に突入しては、命を落としかねません。突入は式神が戻ってきてからでも遅くはない。顔認証のロック解除する画像データも上がってきてないし』