俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~

金切り声のような、金属音のような。

何とも表現し難い…音?

工事でもやってたっけ。



しかし、気になる。



もう一度聞こえないかと、目を瞑って耳を澄ませてみた。



(………)



だが、その音らしいものが再び聞こえてくることはなかった。

何だったんだ?と首を傾げる。



「伶士、どうしたんだ?」



ハッと気付くと、なずなが顔を覗き込んでいた。

我に返って、ビクッと体を震わせる。

近い…!



「目を瞑って何してた?」

「いや、音…」

「音?」

「…何か聞こえなかった?」

「は?何が?」



なずなには、聞こえてない?

何で?



「ほら、いや…金属の摩擦音みたいな」

「…いや」

「あ、そう…」



おかしいな。幻聴か?

俺もそろそろ危ない?

さっきと同じ現象か?畜生犬コロの暴言が俺にしか聞こえていない、みたいな。



(………)



…はっ!まさか!

あの犬コロの嫌がらせか?

黒板に爪を立てた時に出る不快音…うん、何か似てるかも。

あの畜生…!



なら、腹が立って終わりなんだけど。



でも…胸騒ぎがするのはなぜか。



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