俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
それを、ずっと見ているが…。
(ち、ちょっと…)
俺もヤバい。
何だか…なずなが、すごく可愛いんですけど。
こっちもだんだん顔が熱くなってきた。
扉の向こうがどうとか、ヨーテリ帰ってこないとか。
そんな場合ではなかった…!
ここは、逢い引きの場、VIPラウンジ。
隣にはモジモジと顔を赤くしている、片想いの相手。
そして…俺の頭の中には、廻る。
過去にここで行った、いくつもの所業を。
あんなことや、こんなこと…いやらしいこと。
(や、ヤバい…)
突如として自覚してしまったこの大変な状況に。
スイッチがパチンと切り替わってしまったような気がした。
途端に、ドキドキドキドキ…胸がうるさくなっていく。
本当にヤバい。
一気に意識してしまった。
気まずさ100%だ。
モジモジなずなを直視出来ず、俺も視線をどこか向こうにやってしまう。
二人の間に、気まずさの突風が吹いているようだ。